初学者はまず横断研究から始めよう

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初学者はまず横断研究から始めよう

臨床業務の傍ら臨床研究に取り組む理学療法士・作業療法士が増えてきております.

ただ学会発表や臨床研究には興味があるけど,なかなか研究を実践できないという理学療法士・作業療法士が少なくないのも実際だと思います.

研究にはいくつかデザインと呼ばれる研究の型が存在します.

この研究の型の中でも初学者が取り組みやすいのが横断研究と呼ばれる研究方法です.

今回は初学者の理学療法士・作業療法士向けに横断研究についてご紹介させていただきます.

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研究デザインとは?

研究デザインというのは研究の型みたいなものですが,研究デザインを分類すると大きく介入研究と観察研究に分類することができます.

 

 

 

 

 

 

介入研究

介入研究というのは,介入効果を客観的に示すことを目的とした研究です.

物理療法や運動療法の効果判定に用いられることが多いです.

理学療法士・作業療法士の分野で考えると,この治療手技を使用することで動作能力が改善するかといったような疑問を解決する場合に使用されます.

理学療法士・作業療法士の分野では,これら介入研究の結果が蓄積されてエビデンスが構築されていくことになります.

介入研究では,対象者を治療する人と治療しない人に分けて比較する必要があります.

対象者を治療する人と治療しない人に分けてしまうと,提供サービスが不平等であるという観点から,倫理的に問題となることが多く,障壁が高いのもこの介入研究の大きな特徴です.

 

 

 

 

 

 

観察研究

観察研究は,過去・現在・未来のどこを見るかで種類が異なります.

介入研究はその効果の信憑性を高めるためには綿密な研究デザインが不可欠であり,研究に対する準備期間も長くなります.

一方で観察研究とは,ある特定の時期を対象として,結果と要因の関係性を明らかにするために実施されることが多いです.

以下にわかりやすく表にまとめてみました.

 

見る時期 難易度 研究の質
ケース・コントロール研究 現在の結果と過去の要因

(後ろ向き)

普通 普通
横断研究 現在の結果と要因 低い 低い
コホート研究 現在の要因と未来の結果

(前向き)

高い やや高い

 

この表を見てもわかるように,横断研究の場合には現在の結果と要因を同時に測定すればよいので簡単にデータ収集ができるわけです.

一方でケース・コントロール研究やコホート研究の場合には,結果と要因を測定するタイミングが異なりますので,複数回データを測定するタイミングがあり,クライアントをフォローすることに苦労することが多いです.

 

 

 

 

 

 

初心者でもできる?横断研究で臨床の課題を見つけよう

上述したように横断研究の研究デザインは比較的実施しやすいので初学者向けです.

横断研究では,現在あるデータをもとに関連性を調査することができますので,研究デザイン作成から研究結果までの期間が比較的短くて済みます.

例えばカルテ上にある年齢や術式等と理学療法士・作業療法士が評価した身体機能との関連性を調べるのにはあまり時間がかかることもないでしょう.

ただし横断研究には因果関係が明らかにならないといった限界もあります.

横断研究はデータを時系列でみるタイプの研究ではありませんので,各項目ごとの因果関係は明らかになりません

たとえば歩行速度と膝伸展筋力に相関関係があったとしても,膝伸展筋力が強いから歩行速度が速いのか,歩行速度が速く身体活動量が高いから筋力が強いのかはわからないわけです.

横断研究の場合には,あくまで歩行速度と膝伸展筋力に関連があるということまでしか明らかにならず,どちらが原因でどちらが結果かというところまでは結論付けることができません.

 

 

 

 

 

 

横断研究の限界から次の研究デザインを考える

上述したように,横断研究で有病率やある種の傾向などが判明した場合,次のステップにつなげることが重要です.

有病率の場合であれば,その先に起こるイベントの有無を調査したり(コホート研究),過去にさかのぼって2群間の違いを探したり(ケース・コントロール研究)するなど,縦断的に調査を行う必要があります.

 

今回は初学者の理学療法士・作業療法士向けに横断研究についてご紹介させていただきました.

研究に対する苦手意識を克服するためにも,職学者の理学療法士・作業療法士の方は,まずは身の回りの疑問をテーマにして,実態調査などの横断研究デザインで研究に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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