理学療法士・作業療法士がクライアントとの関係を築く方法

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理学療法士・作業療法士がクライアントとの関係を築く方法

理学療法士・作業療法士になって数年はクライアントとの人間関係に苦労することが少なくありません.

またクライアント以上に大変なのが先輩や同僚との人間関係です.

ある程度経験を積めば,自然にクライアントとの関係を築く方法が身についてきますが,先輩や同僚との人間関係が嫌で仕事を辞めるといった方も少なくないと思います.

今回は理学療法士・作業療法士がクライアントとの関係を築く方法について考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

ラポール

養成校でも理学療法士・作業療法士がクライアントとの関係を築く上でラポールの形成が重要であると学習されたと思います.

ラポールとは,フランス語で親和関係のことで,架け橋とも表現されます.

対人的な場面を伴うカウンセリング・医療面接・意識調査などで,面接者と被面接対象者との間に作る親和的・共感的関係を意味します.

どのような人間関係においても,コミュニケーションを行うときの基礎になるのが,このラポールです.

 

 

 

 

 

 

ラポールを築くためには?

その人の生活環境や活動領域,関わっている人間模様など,相手の生きている世界を知り,その人を全人的に理解する努力をすることが大切です.

そのために必要なコミュニケーションに役立つスキルを身につけましょう.

 

 

 

 

 

 

観察のためのスキルとしてのミラーリング

ミラーリングとは,話をしている相手とボディランケージを合わせることです.

例えば目の前に座っている相手が右足を上に組んでいるなら,あなたは左足を上にして組み,相手が左手で髪をかき上げたら,同じように自分の右手で髪をかき挙げるのです.

まるで鏡に写っているかのように姿勢や動作,身振りや表情などを相手と同じ動きになるようまねすることで、無意識レベルでの親和関係が築きやすくなります.

ただし,あまり露骨にすると相手にわかってしまい逆効果になるため,まねる程度は相手より少し小さめにさりげなく行うことが大切です.

このスキルは同調が生む心理的な効果を活用しているものですが,相手をまねるためにはよく観察することが不可欠であるため, 理学療法士・作業療法士として相手を観察する練習としても活用できます.

 

 

 

 

 

 

活用したいペーシング

ペーシングとは,話をするスピードや声の調子,動作などを相手のペースに合わせることです.

私たちは,初対面の人や自分とは違うと感じられる人に対して警戒心を抱きます.

これは自分と相手の違いに不安を感じるからです.

とくに各々がもっているペースは人によって異なり,相手との違いを感じる要素になっています.

例えば友人と一緒に歩いている時に,歩くスピードが合わずにおいて行かれてしまうと相手の心が離れているように感じて,淋しく思ったり,不快に思ったりするかもしれませんが,相手が自分にペースを合わせて歩いてくれれば.相手の心が近く感じられるようになります.

人とペースを合わせることで,私たちは無意識レベルでの関係を築くことができるのです.

ペーシングには呼吸,動作や話のスピード,声の大小,感情などがあり,私たちは日常生活のなかで人とのコミュニケーションに活用しています.

大きな声であいさつをしてくる方には大きな声で元気よく挨拶をしますし,か細い声であいさつをされたらこちらも優しい声であいさつをするというのは無意識にもみなさん行っておられることだと思いますが,これがペーシングです.

 

 

 

 

 

 

対話のためのスキルとしてのオウム返し

相手の言ったことをそのまま反復して言い返したり,要約したりして言うことで,相手は自分の話をしっかり聞いてくれている,理解してくれているという印象をもてます.

オウム返しするものには,以下の3つがあります.

まずは話された事実や相手が話した事実をそのままの言葉で返す方法です.

例えば,クライアントが「暑いですね」と言ってきたら,理学療法士・作業療法士は「そうですね暑いですね」と返します.

次に感情・相手が感じている感情を受け取り,言葉で表現して返す方法です.

クライアントが,来週退院になりますと嬉しそうに言ったら,「おめでとうございます.嬉しそうですね.ほんと苦労しましたもんね~」と返す方法です.

最後の方法は話を要約する方法です.

クライアントが,「来週退院になりました.退院後は週に1度受診をするように昨日先生から言われました.リハビリも外来で受けたいと思うんですが,1人では自宅からここまで通うのは無理ですからね.息子の嫁に頼みたいと思っているのですが,忙しいから,実際に通えるかどうかわかりません」と言われたら,「そうですか.まずは退院が決まってよかったですね.おめでとうございます.ご自宅から通院でリハビリをしに来るには,ご家族の協力が必要なんですね.いろいろとご心配もあるようですね…」

相手の話を受けて要訳する際に大切なのは,話されている事実とその背景にある感情の2つの側面から相手を理解することです.理解した内容を相手にフィードバックすることがオウム返しであり,オウム返しすることで相手に「私はあなたを理解していますよ」という情報が伝わり,信頼も得られるようになります.

 

 

 

 

 

 

今回は理学療法士・作業療法士がクライアントとの関係を築く方法について考えてみました.

今回ご紹介いたしましたさまざまなスキルを利用してクライアントと良好な人間関係を築いてきたいものです.

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