発表されたばかりの2019年版AWGSによるサルコペニア基準を必ずチェックせよ!

介護予防
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 2019年版AWGSによるサルコペニア基準を必ずチェックせよ! 

先日,Age AgingにEWGSOP2のサルコペニアのコンセンサス論文を紹介させていただきました.

これは必見!サルコペニアの新基準
2018年10月12日のAge AgingにEWGSOP2のサルコペニアのコンセンサス論文が公開されました.これまでの基準からの変更点も多く,理学療法士・作業療法士であれば確実に押さえておきたいところですので,今回は新しいEWGSOP2のサルコペニアの基準についてご紹介したいと思います.

2018年のEWGSOP2のサルコペニア基準はドラスティックな改訂であり,かなりインパクトがありました.

この基準はこの基準で重要なのですが,これはあくまでヨーロッパのワーキンググループによって策定されて物ですので,理学療法士が本邦の高齢者に適応するには少し無理があります.

今回は11月9日・10日に新潟県で開催された第6回日本サルコペニア・フレイル学会大会で,本邦で初めて公表されたAWGSによる2019年度のサルコペニア基準についてご紹介させていただきます.

man holding black dumbbell

 

 

 

 

 

 

 2019年版AWGSによるサルコペニア基準 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 AWGSって? 

AWGSというのはASIAN working Group FOR SARCOPENIAの略称です.

2014年までのサルコペニアの基準は,ヨーロッパのワーキンググループによってつくられた基準であり,ヨーロッパ人とアジア人では体格や身体機能の違いがあるため,アジアのワーキンググループのAWGSによってアジア人向けのサルコペニアの診断基準がつくられたわけです.

例えば,もともとEWGSOPの基準とは歩行速度の0.8m/sの基準は同じでしたが,握力・筋肉量の基準は異なる基準が用いられておりました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 AWGSによるサルコペニア新基準は? 

AWGSによる診断ですが,これまで通り3つの観点から評価を行います.

①筋力(Muscle Strength)

②身体機能(Performance)

③骨格筋量(Skeletal muscle mass)

 

特徴的なのは,サルコペニア(低筋力+低骨格筋量 もしくは 低身体機能)と重度サルコペニア(低筋力+低骨格筋量 かつ 低身体機能)に分類するといった点です.

筋力と骨格筋量が重要視されている点はこれまで通りです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 骨格筋量の評価無しでprobable sarcopeniaへの介入可能 

大きな変化は,かかりつけ医や地域の場で骨格筋量の評価が難しいといったこれまでの限界をふまえた上で,下腿周径の評価で基準値よりも低値な場合や,握力・5回椅子立ち上がりテストを用いて,サルコペニアの可能性(Probable Sarcopenia) として介入が可能な点です.

このあたりはEWGSOP2の流れと同じだと思います.

正直なところ臨床家からすれば,BIAがいくらとか,DXAがいくらとか言われてもピンときませんし,そもそも評価しようがありません.

今回の基準では理学療法士に非常に身近な下腿周囲長の基準として男性34cm,女性33cmといった数値が明示されたのは非常に大きいですね.

 

 

 

 

 

 

 握力・歩行速度の基準値が変更となった 

それから握力の男性のカットオフ値が26kgから28kgへ変更となりました.

ちなみに女性は18kgのままです.

EWGSOP2の基準が27kgですので,これもEWGSOPのカットオフ値に少し近づいた形となります.

 

さらに歩行速度は1.0m/sに変更になりました.

正直なところ0.8m/sというのは少し遅い印象を持っておりましたし,日本では10m歩行時間を計測することが多いので「10mを10秒で歩行できれば良い」といった基準は非常にわかりやすいですね.

「10mを12秒で歩行できれば良い」というのはなんとなくしっくりきませんよね.

あくまでこれは日本人的な感覚かもしれませんが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 EWGSOP2との相違は? 

加えてプレサルコペニアといった概念については未採用である点や,EWGSOP2で提言された原発性/二次性サルコペニアといった概念や,急性/慢性サルコペニアといった概念が採用されていない点も見逃せません.

このあたりはほぼ全てのサルコペニア患者が結果的に適切な介入を要し,かつ複数の関連する併存疾患を有する場合が多いためと提言されております.

 

 

 

 

 

 

 

 各項目のカットオフ値 

 筋力 

男性:握力28kg未満,女性:18kg未満

 

 

 

 

 

 

 身体機能 

歩行速度1.0m/秒未満(6分間歩行テストにて)

もしくは 5回椅子立ち上がりテスト 12秒以上

もしくは Short Physical Performance Battery 9点以下

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 骨格筋量 

Dual-energy X-ray absorptiometry

男性:7.0kg/m2未満 女性:5.4kg/m2未満

Bioelectrical impedance analysis

男性:7.0kg/m2未満 女性:5.7kg/m2未満

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スクリーングとしてのカットオフ値 

下腿周囲長:男性34cm未満,女性が33cm未満

SARC-F:4以上

SARC-Calk:11以上

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は第6回日本サルコペニア・フレイル学会大会で,本邦で初めて公表されたAWGSによる2019年度のサルコペニア基準についてご紹介させていただきました.

この2019年版のAWGSをふまえた上で,来年初頭にはサルコペニア診療ガイドラインが改訂される予定のようです.

理学療法士の皆さんもこのガイドラインから目が離せませんね!

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