都道府県士会から出された協会への認定・専門理学療法士制度に関する意見書

認定・専門・登録理学療法士
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目次

 都道府県士会から出された協会への認定・専門PT制度に関する意見書 

新生涯学習システムが2021年度から大きく変更されるといったニュースはこのブログの中でも何度か取り上げさせていただきました.

新生涯学習システム(登録・認定・専門理学療法士制度)に関しては以前からさまざまな意見が飛び交っておりましたが,今回は都道府県士会から協会へ出された新生涯学習システム(登録・認定・専門理学療法士制度)に関する意見と協会から出されたその回答についてご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 新生涯学習システム開始の延期について 

都道府県士会

会員が混乱しており,延期理由が不明瞭である.

日本理学療法士協会

4 月の拡大組織運営協議会および,4 月27 日発信のFAX 通信においても説明しましたが,外部評価機構構築に関する調整と医療広告ガイドライン取得について関係各所との調整が必要になり,それに伴い全体的な概要の再検討をするためです.

制度の開始時期に関しては,2019年10 月の組織運営協議会にて確定させる方針です.

 

 

 

 

 

 

 新生涯学習システムにおけるポイントの無効化について 

都道府県士会

新生涯学習システムへの移行において,それまでのポイントが無効化されることが示されているが,一定期間内でのポイントの「読み替え」等の対策も検討していただきたい.

全て無効化されるとそれまでのポイント(知識・技術の研鑽)が全否定された感覚に陥ってしまう.

日本理学療法士協会

現制度のポイントの有効可否や新制度への移行措置については,検討をしています.

 

 

 

 

 

 

 専門・認定理学療法士の社会的位置づけの確立について 

都道府県士会

現在理学療法士の質向上(臨床能力の向上)や専門領域の明確化等を目指して,生涯学習システムの大幅改革に取り組んでいることと思われる.

そのシステムの完成段階では、「専門・認定理学療法士」や「総合理学療法士」の取得が単なる自己研鑽的な位置付けではなく,社会的に認められた位置づけとなっていることも必要と思われる.

単なる自己研鑽では所属施設の公務出張に当たらず研修会等への参加が困難な状況であるとの声が多数聞かれる.

日本理学療法士協会

理学療法士の質の向上・担保を図っていくうえで,知識・技術の継続的な研鑽を全会員がしていくことを生涯学習という位置づけで考えています.

そのため認定や専門理学療法士・総合理学療法士(仮称)はさらに研鑽を進め,特定の領域や分野などの知識・技術を深めていきたい会員へのコースのような位置づけとして設定をする方向で検討しています.

 

 

 

 

 

 

 専門・認定理学療法士の資格取得・更新研修会の多数開催について 

都道府県士会

現状の「専門・認定理学療法士」の資格取得・更新のための研修会開催数が少なく,一度申し込みを逃すと遠方開催の研修会に行かざるを得なくなってしまう現状である.

現在検討されている生涯学習システムでは、「専門・認定理学療法士」や「総合理学療法士」の資格取得・更新のための研修会が多数開催(E ラーニング含む)できる仕組みも確立していただきたい.

日本理学療法士協会

新生涯学習システムにおいては知識・技術の継続的な研鑽を全会員がしていくことを生涯学習の部分では,e-ラーニングを増やしていくことを検討しております.

さらなる研鑽の仕組みとしての「専門や認定理学療法士」、「総合理学療法士」の部分においても,制度の内容が固まっていく中で,e-ラーニングの要否も含め検討をしていきます.

 

 

 

 

 

 

 新生涯学習制度延期に伴う問い合わせ窓口の設置について 

都道府県士会

新生涯学習制度を諸事情にて1 年先送りにするということだが、すでに会員への広報をしている部分もあるので,多くの問い合わせがあるものと推測される.

問い合わせに対する窓口を作ってほしい.

日本理学療法士協会

新生涯学習システムが検討されている現状においては,窓口設置をしても対応が難しい状況にあります.

制度の開始時期に関しては10 月の組織運営協議会にて確定させる方針です.

また制度の中身が確定でき次第,本会としてFAQ の公開や士会へ情報共有を図っていきますので,本会と士会で協力して対応をしていきたいと考えています.

 

 

 

 

 

 

 生涯学習ポイント反映までの期間短縮について 

都道府県士会

現生涯学習システムは平成33 年度までであり,その間に駆け込みで認定理学療法士試験受験者が増えることは容易に想像されます.

各自が申請したポイントの反映に1 ヵ月となっていますが,実際にはそれ以上かかっており,受験時のポイント申請が増えるのは必須です.

ポイント申請については,ホームページに認定理学療法士(新規申請用)ポイント取得マニュアルに掲載されていますが,別のページには履修情報登録・認証の手引き」が掲載されています.

ホームページ上をよく探さないと履修情報の手引きは出てこず,さらにこの2つに書かれていることが一部異なるように見受けられるため,申請が煩雑で分かりにくいものになっており,ポイント申請の不備のある人がでてしまいます.

ポイント申請が煩雑で不備が多いほど,その作業にかかわるスタッフの負担が増えると思われます.

あと数年間ですが改善が必要ではないでしょうか.

日本理学療法士協会

現制度の基準を変更するには,組織制度上,理事会での承認・決定が必要であり,基準の変更案の検討から進めるとなると,年単位の時間を要します.

そのため平成33 年度に制度変更がされることを考慮すると,現制度の基準を変更することは現実的ではなく,混乱が大きいと考えられます.

現制度の基準について以前から変更はされておりませんが,過去には明確化したマニュアルがなく,申請者が各基準を確認の上「考察」をして申請する必要があったため,現在よりもさらにポイントへの理解のずれが大きく,ポイント登録・認証審査や資格申請時の個別のポイント審査に多大な時間を要し煩雑となっておりました。それらを改善すべく,昨年度はマニュアル・手引きを設け,一定手順の統一化を図るように,課題については都度検討し,整備をしています。しかし,現制度が協会外の活動までも広くポイント対象を認めており,かつ各領域においても審査基準が異なるため,それらの複雑さをカバーすることには限界が生じています.

上記の通り,随時,一つ一つの課題に対しできる限りの対応を進めてはおりますが,矛盾点が生じている部分などのご指摘や,制度変更ではなくより現制度がわかりやすく伝わる見せ方などご提案がございましたら,ご協力をいただけますと幸いです.

また現制度においてこれらの課題が生じている点を踏まえ,よりよい新制度構築のためのご意見・ご提案をいただけますようお願いします.

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士試験の症例報告作成様式変更について 

都道府県士会

症例報告の作成については,「文字の大きさ:11 フォント.文字数1,000~1,200 程度.「提出書類」として適切な形式となっていない(著しい誤字脱字,見切れ等により完成形となっていない)等の書類不備がある症例については,審査対象外.」とホームページに掲載されていますが,この指示の通りに作成すると,見切れます.

指示が不明瞭ですので,書式または指示の変更が必要と考えます.

日本理学療法士協会

症例報告の様式につきまして,確認をして,書式の変更等検討をさせていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 認定PT(新規)審査における「症例報告」の審査方法等について 

都道府県士会

平成29 年度認定理学療法士(新規)審査における「症例報告」の審査方法等について再度検討するとともに,質・客観性の担保のため今後の症例報告の審査方法についても検討をお願いしたい.

H29 年度認定理学療法士(新規)審査の「症例報告審査結果」だけが不合格となった受験者の再審査を,検討していただきたい.

認定理学療法士(新規)申請は,「申請書類(ポイント)」・「認定試験」・「症例報告」で行われている.その中で,「申請書類(ポイント)」,「認定試験」については客観的判定が可能であるが,「症例報告」の判定は主観的要素が高くなる.

さらには,審査は1 人だけで行われているため,審査する認定理学療法士で合否の結果が大きく変わっている可能性が考えられる.

昨年度までは客観性・公正性が保たれるように「症例報告審査」では修正後,再提出という対応であった.

複数の会員より,今回の「症例報告審査結果」について不服とした意見を聞いたため,審査方法についての検討をお願いしたい.

「認定試験合格者」への試験免除については,地方の会員が受験するには試験費用だけでなく旅費交通費という大きな負担が存在していることも考慮していただきたく,提案する.

日本理学療法士協会

症例報告審査については,以前までは,不明瞭な審査基準によって審査者間でのばらつきがあったため,できる限り公平となるよう,昨年から基準をみなおし,一定の基準にそって数値化し,合計の獲得点数による判定を実施しています.

しかし,受験者数が増加すれば,審査者の数も増えるため,点数化を導入した現在においても,全担当者にて完全に一致した見解とならない場合もあります.今後の審査方法についても,改善できる部分から検討を進めていく予定です.

また,再審査および総合判定方式から積立方式の試験方法への制度変更については,現制度においては制度がございませんので,対応ができかねる点について,何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます.

いただいた内容は協会全体の課題として重く受け止め,今後の制度において,改善・構築に努めてまいります.

 

 

 

 

 

 

 

 認定理学療法士試験の身分証提示について 

都道府県士会

受験要項には,顔写真付きの身分証明書を持参するよう記載がありましたが,試験会場で身分証を掲示することはなく,協会の会員証を机に掲示するのみでした.その会場のみそうだったのかもしれませんが,替え玉受験も可能となってしまうので,もう少し厳密な対応が必要ではないでしょうか.

日本理学療法士協会

昨年度まで本人確認としては,会員証を机上に提示して頂くまでの確認をしており,身分証は会員証を忘れた際に確認するためのものとして持参をお願いしておりました.ご指摘のように,現状の運用方法では,替え玉受験は可能となってしまいますが,試験当日の本人確認として,会員証と身分証の二重の提示をするかなどについて検討をさせていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 専門・認定PT取得者証明の外部へのアピール方法の多様化について 

都道府県士会

現在,「専門・認定理学療法士」取得者には証書が配布されているが,所属施設内でアピールするための多様な方策を検討していただきたい.たとえば,医師会,看護協会,薬剤師会などのように,名札に付けられる「修了バッジ」のようなものはどうか.

日本理学療法士協会

新生涯学習システムの検討時期でもあり,医療広告ガイドラインとの関係もありますため,あわせて検討します.

 

 

 

 

 

 

 マイページの履修状況管理について 

都道府県士会

履修状況管理を見やすい・使いやすいように変更してほしい.(今まで履修したポイント活動内容の一覧の時点で,領域が判別できる状況や,認定理学療法士等で使用したポイントをグレーにする等)

詳細を確認するために,一つ一つ別のページに入って確認し,戻っての繰り返しで,非常に見づらい.使用したポイントに関しても同じ状況のため不便.会員の負担軽減のために,是非検討してほしい.

日本理学療法士協会

新生涯学習制度と合わせて,次期会員管理システムへの要望として検討します.

 

 

今回は都道府県士会から協会へ出された新生涯学習システム(登録・認定・専門理学療法士制度)に関する意見と協会から出されたその回答についてご紹介させていただきました.

私自身も以前から認定・専門理学療法士制度に関して思うことはたくさんありました.

まずはインセンティブですね.

これが無いから制度に魅力がありませんし,手続きや研修参加も煩雑に感じてしまいます.

確固たるインセンティブがあれば,手続きが煩雑であったり,研修が遠方でももう少し魅力的な制度になるでしょう.

特に修了バッジなんかは妙案ですし,マイページの履修状況管理についても使用したポイントを使用できなくするなど何らかの対処をしてほしいです.

不備があれば不合格となる資格であるのであれば,もう少しシステムの方も不備が出ないように工夫をすべきです.

少しでも今回提示された内容が改善されることを期待したいですね.

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