理学療法士・作業療法士の臨床実習の成績は養成校が判定するの?実習指導者が判定するの?

投稿者: | 2019年4月10日

 臨床実習の成績は養成校が判定するの?実習指導者が判定するの? 

一昔前までは理学療法士・作業療法士の臨床実習では,実習先の指導者が合否判定をするのが一般的でした.

私自身も臨床実習指導者になって何年かは優・良・可・不可といった評定を行っておりました.

正直かなり重いですよね.

長期の実習で2ヶ月学生を見たからといって自分の成績評定が原因で学生が留年するなんて考えるとなかなか不可なんてつけられませんでした.

最近は大学・専門学校いずれも実習指導者が成績評定を行うことは少なくなってきていると思います.

今回は理学療法士・作業療法士の臨床実習における成績評定について考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 評価と評定は異なる 

ここでまず言葉を整理しておきます.

評価と評定が異なるという点です.

評価というのは実習生の状況を把握するもので,それが単位取得につながるものではありません

一方で評定は評価内容をもとに一定の尺度において合格か不合格かを判断するもので,単位取得につながるものです.

最近の実習では評価を実習指導者が,評定を養成校が行うというのが多いと思います.

 

 

 

 

 大学・専門学校における成績判定 

大学においては教科目の単位認定には社会的責任が伴いますので,大学側が行うのが以前から当たり前でした.

したがって昔から成績判定を行うのは大学(養成校)でした.

しかしながら専門学校の場合は評定(成績判定)を実習指導者に委ねている養成校が多かったわけです.

一昔前の話ですが,実習施設が行った成績評定に腹を立てた実習生のご両親が病院にまで乗り込んできたといった話しも聞いたことがありますので,現行のように養成校側が評定を行うのが主流になったのは当然と言えば当然かもしれません.

 

 

 

 

 

 臨床実習に関連する学生評価 

臨床実習に関連する学生評価には,①診断的評価,②形成的評価,③総括的評価の3つがあります.

①診断的評価は主に実習前に行われるもので,学生の準備状態を把握するために実施されます.

学生の実態を把握し,それに応じた指導計画を行うための評価です.

通常はCBTやOSCE等を用いて行われることが多いです.

②の形成的評価というのは実習中に行われるもので,指導方法や学生の学習状況の改善に利用するための評価です.

実習指導者は実習中にこの形成的評価を行う必要があります.

③の総括的評価は実習後に行われるもので,学習終了時に学習の成果を総括的に扱う評価です.

 

 

 

 

 事前評価で一定水準に達しない学生は臨床実習に出れないのか? 

臨床実習指導者会議に参加すると良くある実習指導者からの指摘が一定水準に達していない学生を臨床実習に出すべきではないといったものです.

確かにクライアントに接することを考えるとそうなのかもしれません.

ただ現段階では一定水準が明らかにされていないのも事実です.

これに関して今回改訂された指定規則でもこの点に関して回答がなされております.

「臨床実習前には実技試験等による評価を行い,直接患者に接するに当たり,総合的知識及び基本的技能・態度を備えていることを確認し,その評価を踏まえた教育を臨床実習施設で行い,その判定を臨床実習後の評価等で行うことが望ましい」

一定基準に達していなくても臨床実習に出すなとは回答していないわけです.

達していなければその状況に応じた教育を実習施設で行うべきだと考えられます.

 

 

 

 

 

 実習指導者が行うのは形成的評価 

とは言え理学療法士・作業療法士の臨床実習生の実習中の様子を把握しているのは実習指導者であることは言うまでもありません.

また養成校側も実習指導者に臨床実習生の実習中の様子について評価してほしいと考えております.

そもそも臨床実習生を評価する目的というのは,「臨床実習生の成長や学習を進展させるため」です.

決して評価が学生の自信を失わせたり,学生の成長や意欲を削ぐものであってはならないわけです.

臨床実習において求められるのは形成的評価です.

つまり優・良・可・不可といったような成績判定ではなく,臨床実習指導者と学生が密なコミュニケーションをとりながら実習の目標達成度や実習生の成長過程を確認できる形成的評価が求められるわけです.

形成的評価では一定の水準に達しているかどうかといった評価ではなく,実習を通じてどの程度臨床実習静臥成長できたかを評価することが可能となります.

 

 

 

 

 評価は必ず臨床実習生と一緒に 

形成的評価を行う際には必ず実習生とともに評価を行い,評価結果をフィードバックすることが重要です.

評価は実習生の成長を促すために行うものですので,どこが改善してどこが改善していないかについて学生とともに振り返ることが重要です.

 

今回は理学療法士・作業療法士の臨床実習における成績評定について考えてみました.

この記事が改めて臨床実習における学生評価を考え直す機会になれば嬉しいです.

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