クライアントを上手に褒めるコツ

働き方
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 クライアントを上手に褒めるコツ 

私の周囲にもクライアントを褒めるのが本当に上手だなと思える人がいます.

褒め上手という言葉がありますが,クライアントに意欲的にリハビリに取り組んでいただくためには,クライアントのちょっとした進歩をフィードバックして褒めてあげることが重要となります.

今回はクライアントを上手に褒めるコツについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 「ほめる」ことで人は伸びる 

褒めて伸びるタイプとか,叱られて伸びるタイプとかいった話がよく話題になりますが,誰でも「よくできたね」「がんばっているね」などと人から声をかけられたり,ほめられたりすることは嬉しいものです.

ほめることで人は伸びると昔からいわれますが,これは科学的にも明らかにされております.

愛知県岡崎市にある自然科学研究機構生理学研究所の定藤規弘教授(神経科学)らの研究グループが行った研究が,米オンライン科学誌「PLOS ONE」の論文に掲載されております.

この論文によると,右利きの成人男女48人を対象に,左手でキーボードの決められた数字をできるだけ速く叩く運動を覚えてもらい,覚えたとおりに何回叩けるかを翌日に調査しております.

運動直後にほめられたグループは前日の練習から20%成績が伸びたのに対し,ほかのグループは13~14%の伸びにとどまったと報告されております.

 

 

 

 

 

 クライアントに褒め言葉をかけることの重要性 

クライアントは毎日,さまざまな葛藤のなかで生活されています.

痛みを抱えている方もいれば,精神的な苦痛と戦っている方もいます.

リハビリという毎日の訓練を意欲的に継続するにはよほどのやる気がないと難しいものです.

私も仕事をしていて,「リハビリ担当者の言葉のおかげでリハビリを継続できた」と言っていただいたことが多くあります.

活気あるリハビリ施設では,常にセラピストがクライアントに声をかけているためとても賑やかです.

単に「がんばってください」ではなく,「良くなればAさんの好きなBができますね」など,進歩があればクライアントにとって大きなメリットとなることを伝えることが重要です.

クライアント自身のモチベーションを高め,ほめられる,認められるという「喜び」を感じてもらえるような言葉の選択が非常に重要となります.

 

 

 

 

 

 

 理学療法士・作業療法士は褒めるのが苦手? 

われわれ理学療法士・作業療法士は古くはICIDHという医学モデルを使ったリハビリテーション教育を受けた者が多いと思います.

このICIDHではクライアントの問題点を抽出する,つまりクライアントの悪いところを見つけてそこにアプローチしようという考え方でクライアントの障害像を統合します.

こういった教育によって良いところを見つけようといった視点が欠けやすいのです.

現代の若い理学療法士・作業療法士はICFを使用した教育が行われておりますので,positive factorも含めてクライアントをとらえようとする方が増えているとは思いますが,理学療法士・作業療法士はクライアントの良いところを見つけて褒めるのが苦手な方が多いのです.

 

 

 

 

 クライアントを上手に褒めるコツ  

クライアントを褒める際には事実を見つけて伝えることが重要となります.

クライアントの顔色や表情,持ち物やふるまいをしっかりと観察してみましょう.

気分がいい日に「今日は顔色がいいですね」と言われて嫌な思いをする人はいませんし,お気に入りのかばんについて「どこで買ったんですか?」と聞かれると嬉しくなります.

どんな小さなことでも,良いと思ったらその良さを素直に伝えてあげることが重要です.

 

 

 

 

 第三者の声を使う 

褒められても「そんなことない」と謙遜するクライアントも多いと思います.

特に日本人は褒められ慣れていないので,謙遜される方が非常に多いです.

こういった場合には,第三者の声を使うのも効果的です.

ほめ言葉に「看護師さんたちも言っていましたよ」と伝えると,現実感も増して伝わりやすくなります.

それでも否定されたら,「私は少なくともそう思っていますよ」と心をこめて返すと,クライアントも受け入れやすいでしょう.

 

 

 

 

 クライアントの意欲が高まれば仕事のやりがいにもつながる 

クライアント自身が「もっとがんばってみよう」と思うようになるには,「もう一度自分の足で歩きたい」「家族とまた会話できるようになりたい」など,具体的な目標や意欲をもつことが重要です.

そのためには「あなたのことを心配しています」「あなたは大切な存在です」というメッセージを発信してくれたり,目標に向かって一緒に努力してくれるセラピストの存在が不可欠なのです.

クライアントの意欲が高まれば,われわれ理学療法士・作業療法士もやりがいを強く感じられるはずです.

ぜひともクライアントをしっかりと観察して,ほめ上手な理学療法士・作業療法士になりましょう。

 

今回は理学療法士・作業療法士がクライアントを上手に褒めるコツについて考えてみました.

皆様もこの記事を読まれたのをきっかけにクライアントを褒めることを意識して仕事をされてみてはいかがでしょうか?

 

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