膝関節屈曲可動域運動時になぜ膝関節後方に疼痛を訴えるのか?

投稿者: | 2019年3月13日

 膝関節屈曲可動域運動時になぜ膝関節後方に疼痛を訴えるのか? 

膝関節周囲の外傷例や人工膝関節全置換術例,変形性膝関節症例などを対象に膝関節屈曲可動域運動を行う機会は少なくないと思います.

膝関節屈曲時に膝関節前面に疼痛を訴える場合には,疼痛の原因の解釈って大腿直筋の伸張性低下とか,前面の組織の伸張性低下といった関節可動域制限の原因を想像しやすいと思います.

ただ不思議なのが膝関節屈曲可動域運動時に膝関節後方に疼痛を訴える症例が比較的多いのです.

今回は膝関節屈曲可動域運動時の膝関節後方の疼痛について考えてみたいと思います.

 

膝関節屈曲運動時の膝関節後方の疼痛の原因にはいくつか考えられますが,ここでは腓腹筋の短縮痛,半月板の後方インピンジメント,脛骨の過度な後方偏位について考えてみたいと思います.

 

 

 

 腓腹筋の短縮痛 

腓腹筋の短縮痛によって膝関節屈曲時に膝窩部痛が生じ膝関節屈曲可動域制限が出現する症例は少なくないと思います.

このような場合には,腓腹筋の過緊張や腓腹筋起始部の滑走性障害を改善させ,腓腹筋の柔軟性を改善すると疼痛に改善が得られることが多いです.

腓腹筋の組織間の滑走性を改善させるためには,腓腹筋内側頭の内外側縁と腓腹筋外側頭の内外側縁に指を淵り込ませ,腓腹筋とハムストリングスや後方の関節包との滑走性を改善させる必要があります.

 

 

 

 

 半月板の後方インピンジメント 

半月板の後方インピンジメントにより膝窩部に疼痛が出現し,膝関節屈曲可動域制限が生じる場合もあります.

内側半月板後方には半膜様筋が,外側半月板後方には膝窩筋が付着するため,これらの筋の収縮を用いて後方への移動量を確保する必要があります.

また膝蓋下脂肪体が半月板の前方で拘縮している場合でも半月板の後方への移動が障害されるため,膝蓋下脂肪体の柔軟性も必要となります.

また半月板の後方インピンジメントには,下腿の異常な回旋運動も関連します.

半月板は脛骨ではなく大腿骨頼部と動きを同期するため,下腿内旋の場合には外側大腿脛骨関節において大腿骨外側顆は脛骨外側類に対して後方に移動するため,外側半月板は大腿骨外側噸に伴いより後方に移動します.

同様に下腿外旋の場合には,外側大腿脛骨関節おいて大腿骨外側顆は脛骨外側顆に対して前方に移動するため,外側半月板は大腿骨外側噸に伴いより前方に移動します.

膝間節屈曲域で脛骨が外旋してくると,外側大腿脛骨関節において大腿骨外側顆は脛骨外側願に対して前方に移動するために外側半月板のインピンジメントの可能性が高まります.

半月板の後方インピンジメントが疑われる場合には,半月板周囲の柔軟性と合わせて大腿頸骨関節の回旋の評価を行うことも重要となります.

 

 

 

 

 脛骨の過度な後方偏位 

後十字靭帯損傷例のように大腿骨に対して脛骨が過度に後方偏位している場合にも,膝関節屈曲運動時に膝関節後面に疼痛が出現する原因となります.

またハムストリングスをはじめとする膝関節屈筋群の筋緊張が亢進している場合にも,大腿骨に対して脛骨が過度に後方に偏位する傾向にありますので,膝関節屈曲運動時に膝関節後面に疼痛が出現する原因となります.

このような脛骨の後方偏位が膝関節後面の疼痛の原因であることが疑われる場合には,脛骨を前方に引き出しながら屈曲運動を行ってみて,疼痛が消失するかどうかを確認するとよいでしょう.

脛骨を前方へ誘導しながら屈曲運動を行うことで,膝関節後面の疼痛が消失すれば,脛骨の後方偏位の是正を図る必要があります.

具体的には前方関節包の柔軟性の向上を図る方法や膝関節屈筋群のリラクセーションを得ながら,過緊張を改善させることが重要となります.

 

今回は膝関節屈曲可動域運動時の膝関節後方の疼痛について考えてみました.

今回ご紹介した以外にも膝関節屈曲運動時の膝関節後方の疼痛の原因というのは考えられると思いますので,疼痛の原因を考えた上でアプローチを行う必要があると思います.

 

 

 

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