理学療法士・作業療法士国家試験合格率にだまされてはいけない

投稿者: | 2019年2月10日

 PT・OT国家試験合格率は数字にだまされてはいけない 

 

理学療法士・作業療法士国家試験まで1か月をきりましたね.

受験生の皆様も様々な不安を抱えながら合格に向けて勉強されていることと思います.

おそらく理学療法士業界関係者なら誰もが知っている国家試験の合格率マジックについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 国家試験合格率100%!・就職率100%! 

理学療法士・作業療法士養成校のホームページや広告を見ると,必ず書いてあるのが合格率や就職率です.

大学の場合は合格率や就職率を掲載している養成校は少ない傾向にありますが,専門学校の場合にはこの合格率や就職率が前面に表出されていることが多いと思います.

受験生や受験生の親であれば,受験する養成校の合格率や就職率は一番気になると思います.

 

 

 

 理学療法士・作業療法士国家試験合格率 

以前は理学療法士・作業療法士の国家試験というのは合格率が常に90%を超えてました.

ですので100%の養成校も多く,純粋に合格率を開示しているところが多かったのです.

しかしながらここ5~10年は理学療法士・作業療法士の国家試験合格率はかなり下がっております.

一昨年に至っては合格率が70%台まで落ちました.

これは試験の難易度が上がっているのか,受験者の学力が低下しているのかどちらが原因か不明ですが,おそらく両方の影響があるのだと考えられます.

ただ合格率70%ってなかなかホームページ上で胸を張って出せる数字じゃありませんよね.

素人の親御さんであれば全国平均も低かったんだなんてことはわからないわけですので,この専門学校は合格率が低いので受験させるのを止めようと考えるのも当然です.

 

 

 

 理学療法士・作業療法士国家試験合格率のマジック 

実は合格率というのは何人受けて何人受かったかの分母分子(実際の数)がわからないと,ほとんど参考になりません.

40人受けて20人合格すれば合格率は50%,20人受けて20人合格なら100%なわけですが,受かりそうもない下位20人の学生を最初から受験させず,分母を小さくしておけば、合格率という数字を大きく見せることができるわけです.

成績不良者の留年は当然だとしても,成績がギリギリの者にも国家試験を受けさせず,最終学年で極端に多くの学生を留年させて合格率を稼いでいる学校の噂はよく流れますし,卒業試験を行って国家試験合格に学力が満たない学生は留年させるという養成校も少なくないわけです.

 

この資料はここ数年の国家試験の養成校別合格者状況です.

(2015年)http://www.ishin.jp/support/kokka/pdf/rigaku15.pdf

(2016年)http://www.ishin.jp/support/kokka/pdf/rigaku16.pdf

(2017年)http://www.ishin.jp/support/kokka/pdf/rigaku17.pdf

(2018年)http://www.ishin.jp/support/kokka/pdf/rigaku18.pdf

 

出願者数と受験者数に著しい乖離がみられる学校もあります.

乖離が大きい養成校というのは1月上旬の願書締切後に出願者の多くが受験を取り止めたことになります.

考えられる理由としては学校の卒業試験に不合格になり卒業見込みとならずに留年になったということでしょう.

中には出願者の半数もの学生が国試を受けられない状態になっている養成校もあり,極めて異常事態です.

また興味深いのは新卒者と既卒者別に合格率が示されておりますが,新卒者に比較して既卒者の合格率が低い傾向にあります.

つまり一度国家試験に不合格になった学生は,また不合格になる確率が高いといったわけです.

 

 

 

 理学療法士・作業療法士養成校を選択する際の注意点 

したがって理学療法士・作業療法士養成校を選択する場合には,ホームページ上で公表されている国家試験合格率を鵜呑みにしないことが大切です.

出願者数と受験者数を見た上でどのくらいの学生が受験してどのくらいの学生が合格しているのかをきちんと見ていくことが重要です.

もちろん合格率が低い養成校であっても,真剣に勉強していれば合格を手にしている学生も多いわけですが…

 

 

 

 就職率100%にも注意が必要 

就職率とは「就職したいと思っている人」のうちの何%が「就職できたか」を表します.

就職率%={(就職できた人の数)/(就職したいと思っている人の数)}×100です.

注意点は「就職したいと思っていない人」は分母に含まれないということです.

希望しないところへ就職した場合は「就職者」(=分子)になりますから,就職率の数に反映されます.

就職する気があってそれなりの活動をするわけですから,逆に考えれば100%はむしろ当然の数字です.

就職率100%というのは一見素晴らしい数字に見えますが,現状では就職率100%は達成して当たり前であり,特に自慢になる数字にはならないわけです.

実際のところ,どこの養成校でもほとんどが100%です.

理学療法士・作業療法士国家試験合格率と就職率について考えてみました.

合格率や就職率には大きなカラクリがありますので,きちんと元の数字を確認しないと本質はわかりませんね.

ただ高校生やその親御さんがどこまで本質を見抜けるかどうかというのはなかなか難しいかもしれませんね.

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