なぜ理学療法士・作業療法士が研究を行う必要があるのか?

投稿者: | 2019年1月12日

 なぜ理学療法士・作業療法士が研究を行う必要があるのか? 

理学療法士・作業療法士として臨床のおもしろさがわかってきた3年目くらいになると,先輩から「学会発表してみようか」なんていわれたりすることもあります.

「待っていました」と思える人もいれば,「自分にはちょっと…」と思ってしまう人もいるのではないでしょうか.

確かに研究は簡単に行えるものではないかもしれません.

しかし適切にデザインを設定し,地道にデータを集め,妥当な分析を行えば,立派に研究とよべる状態になります.

しかもこの研究には,必ずしも高価な機器や難しい分析が求められるわけではありません.

角度計やメジャーなど非常に身近な計測器を用いたデータであっても,適切なデザインで地道にデータを集め,そして妥当な分析を行えば胸を張って研究といえるわけです.

 

 

 

 

 データ収集・分析は誰でもやっている 

なぜ研究が必要なのでしょうか?

難しい話をする前に身近な例で考えてみことにしましょう.

例えば私の息子が「仮面ライダーのおもちゃが欲しい」と母親にお願いをする状況をイメージしてください.

ただ閨雲に「仮面ライダーのおもちゃが欲しい」とおねだりをするよりは,「隣のたかし君も幼稚園で仲の良いゆうた君もまさかず君も仮面ライダーのおもちゃを10個以上持っているらしい.だからボクも仮面ライダーのおもちゃが欲しい」というように,少しでもデータを揃えた方が母親の許可をもらえやすくなるでしょう.

さらにもっと言えば「日本人小学生の80%が仮面ライダーのおもちゃ10個以上持っているけど,自分はまだ2個しか仮面ライダーのおもちゃを持っていない.だから仮面ライダーのおもちゃが欲しい」なんていうと,さらに仮面ライダーのおもちゃを買ってもらえる可能性が高まるかもしれません.

ここでは実に巧妙にデータ収集・分析が行われています

まず「たかし君,ゆうた君,まさかず君が仮面ライダーのおもちゃを10個以上持っている」というデータを収集し,このデータと比較して「自分は仮面ライダーのおもちゃを2個しか持っていない」という分析を行っています.

このようにデータを収集し分析するということは説得力をもたせるために必要なプロセスであり,日常的に頻繁に用いられている手段です.

つまり理学療法士・作業療法士も自身の行っている臨床活動の効果・成果を,第三者が納得できるような形で説明するためには研究が必要なのです.

 

 

 

 理学療法士・作業療法士の権利主張につながる 

診療・介護報酬の改訂に活かされる理学療法士・作業療法士の研究は社会に役立っているのでしょうか.

実際,社会に役立つ研究,臨床的に意義のある研究は少ないかもしれません.

ですがリハビリテーションの効果を示すような報告は非常に意義があります.

診療報酬の改訂は2年に一度,介護報酬の改訂は3年に一度あり,医療・介護従事者はこの改訂のたびに一喜一憂することになります.

比較的経験年数の浅い理学療法士・作業療法士の多くは「診療報酬(介護報酬)の改訂は自分にはあまり関係がない話」と思っているかもしれません.

しかし実は大変重要です.

わが国の医療保険の財源はほぼ決まっておりますので,その限りある資源のなかでさまざまな診療に対して財源が割り当てられることになります.

当然ながら価値のある診療,意義のある診療に対しては多くの財源が割かれることになりますし,そうでない診療に対しては減額されることになります.

リハビリテーションの種別もさまざまありますが,リハビリテーシヨンは価値のある・意義のあるものだと主張するためには,それなりのデータを適切な形で提示する必要があります

このようなデータの整備には長期間の調査が必要になりますし,今取り組んでいる内容は数年先の診療・介護報酬の改訂に活かされることになります.

 

 

 

 

 診療・介護報酬に対する意識を高くもつ 

このような診療・介護報酬|に対する意識を高く保つことは若手理学療法士・作業療法士にとっては非常に難しいかもしれません.

しかし多くの理学療法士・作業療法士がこのことに対して意識を向けなければ,将来的にリハビリテーションに対する診療・介護報酬|が減額されるということになりかねません.

経験年数が浅くてもライセンスを有した理学療法士・作業療法士であれば同額の診療・介護報酬を得ることができます.

ぜひ多くの理学療法士・作業療法士が自分たちの権利を守るために,臨床のスキルとともに研究のスキルも向上してもらいたいと思います.

 

 

 

 職域拡大につながる 

介護予防事業のように新たに理学療法士・作業療法士が関与できるようになった事業もあります.

このような新規事業に関しては,今後も継続できるように,または新たな事業にも理学療法士・作業療法士がかかわれるようにさまざまなデ、一夕を適切に示していくことが重要です.

 

 

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