PT・OT・STがなぜ学術研究に取り組むのか?

投稿者: | 2018年12月16日

 PT・OT・STがなぜ学術研究に取り組むのか? 

リハビリテーション専門職における学術活動は,科学としてのリハビリテーション学を確立し,対象者へ良質なサービスを提供するために不可欠なものとなっております.

今回はリハビリテーション専門職における学術活動の意義について考えてみたいと思います.

 

 

 

 臨床で勤務するPT・OT・STにおける学術活動の意義 

学術活動には学術大会への参加,学術大会での発表,学術論文の投稿等の様々な活動が含まれます.

初学者にとっては学術論文の投稿というのは非常にハードルが高いわけですが,まずは学術大会への参加や研究発表が1つの目標となります.

学術研究発表の本質的な意義は,真理を追究しその分野における科学的根拠を明らかにすることにありますが,学術研究に取り組むことで専門職としてのスキルを高めることにもつながります.

学術活動は専門職として必要なスキルの学習にも繋がるため,その教育的な意義も大きく,組織の中で学術活動を推進していくことは,その組織にとっても非常に大きな意味を持ちます.

 

 

 

 学術活動を通じて身につけることのできるスキル 

①情報収集力

学術研究を行うに当たっては文献検索による情報収集が必要となりますが,文献の批判的吟味を通じて必要な情報を取捨選択する力を培うことができます.

 

②コミュニケーション能力

研究対象者への説明はもちろんのこと,研究内容によっては共同研究者に加えて医師等の他職種へも当該研究に関する説明が必要となります.

この対象者・他職種への説明を通じて,コミュニケーション能力を養うことができます.

さらにチームとして学術研究に取り組むことでチームとしての団結力を高めることができ,この点も組織として学術研究に取り組む大きな意義であります.

 

③文書作成力

研究計画書の作成,抄録の作成等を通じて文書作成力を磨くことができます.

リハビリテーション対象者の情報を文書で共有する,自分の意見を集約し同僚・上司へ文書で伝える等,仕事をする上で文書作成力が必要となる場面は非常に多いわけです.

学術研究を通じて文書作成力を向上させることができれば,専門職としてスキルアップを図ることができます.

 

④問題解決力

学術研究を遂行する上では,様々な問題に直面することが少なくありません.

研究プロセスにおける問題解決に至るまでの経験は,専門職として仕事を行う上で必要となる問題解決力の育成に繋がります.

 

⑤客観的分析力

学術研究においては得られたデータを客観的に分析することが必要となります.

研究を通じて培った客観的分析力は,臨床業務においても大いに役立ちます.

またデータ分析を行うことで,表計算ソフトや統計解析ソフト等のスキルの学習にも繋がります.

 

⑥論理的思考力

学術研究においては得られた結果に基づき,論理的に考察し結論を導く必要があります.

学術研究を通して物事を論理的に思考する力を身につけることができます.

 

⑦プレゼンテーション力

多くの場合,最終的には研究結果を学術大会で公表することになりますが,プレゼンテーションに当たってはスライド作成・シナリオ作成・トークといった3つのスキルが必須となります.

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は職場内外を問わず,学術活動以外の様々な場面で,組織を代表してプレゼンテーションを行う機会があります.

学術研究発表を通じてプレゼンテーション力を向上させることができれば,非常に有益であると考えられます.

 

 

 

 

 学術大会は交流の場 

一般的に研究成果を学会発表しても研究者としての大きな成果にはならず,査読のある雑誌に論文として掲載されて初めて学術的な業績として認められます.

また知識を増やそうとして学術大会へ参加しても,そこで得られる知識は,書籍やインターネットでの得られるものには遠く及びません.

では学術大会へ参加する意義は何なのでしょうか?

学術大会に参加する最も大きな意義は,専門職同士の相互交流を通じて新たな価値観・視点を創出することにあります.

論文や書籍から知識を得るといった受身的な一方向性の学習にとどまることなく,人と人とが出会い議論し合うことに大きな意味があります.

したがって学術大会に参加する場合には,他施設の専門職と積極的に意見交換を行おうとする姿勢が重要となります.

また学術大会ではレセプションとして様々な形式で懇親会が開催されます.

懇親会では学会中には耳に出来ない情報を得られることもあり,交流の場として積極的に活用すべきです.

 

 

 

 

 学術大会へ参加する上での心構え 

学術大会へ参加する際には事前準備の無いまま演題を聴講しても何も分からないまま時間が経過してしまうことが少なくありません.

演題を聴講する際には事前に抄録を熟読し,批判的な視点を持って演題を聴講することが重要となります.

また時には自身の専門分野以外の発表や他職種の発表を聴講することも重要です.

専門分野以外の発表を聴講することで新たな視点を得られることもあります.

先にも述べたように学術大会は交流の場です.

積極的に他施設の専門職と交流し,名刺交換やメールでのやり取りを通じて,ともに学ぶ仲間を作ることができれば学術大会への参加は成功したと考えてよいと思います.

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です