理学療法士・作業療法士の喫煙率って高いの?

投稿者: | 2018年11月24日

 理学療法士・作業療法士の喫煙率 

私の勝手な印象ですが理学療法士・作業療法士って喫煙率高いですよね.

呼吸理学療法なんかを専門とする理学療法士でさえも喫煙を止められないという方は少なくないようです.

最近は加熱式タバコも普及してきており,においの問題は少なくなっておりますが,職場によっては喫煙者は雇用しないといった職場もあるようです.

今回は理学療法士・作業療法士の喫煙について考えてみたいと思います.

 

 

 世界保健機関によるステートメント 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の管理法には禁煙指導, 薬物療法, 呼吸リハビリテーション, 酸素療法, 換気補助療法, 外科療法があります.

COPDの一次予防はタバコ煙の曝露からの回避であり, 防煙・禁煙教育が国内外ともに推進されております.

世界保健機関は2005年の世界禁煙のテーマとして「タバコ・コントロールにおけるヘルスプロフェッショナルの役割」を掲げ, 保健医療専門家がそれぞれの立場でタバコ規制に向かって行動を起こすように求めております.

つまり医療に携わる専門職は禁煙すべきであるということを掲げているわけです.

理学療法士・作業療法士もまた非喫煙者であることを目指し,そして禁煙推進に取り組む必要があるわけです.

 

 

 

 日本人の喫煙率は? 

理学療法士の喫煙率の前に,日本人における喫煙率はどうでしょうか?

日本たばこ産業の「2018年全国たばこ喫煙者率調査」によると,成人男性の平均喫煙率は27.8%とされております.

これは昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の 83.7%と比較すると,約50年間で56ポイント減少したことになります.

年代別にみると急激な喫煙率の減少傾向が見られる60歳以上は21.3%ですが,30歳代から50歳代はまだ35%前後を推移しており,一番高い年代は40歳代で35.5%となっております.

成人男性の喫煙率は減少し続けているわけですが,諸外国と比べると未だ高い状況にあり,約1400万人が喫煙していると推定されます.

これに対して,成人女性の平均喫煙率は8.7%であり,ピーク時(昭和41年)より漸減しているものの,ほぼ横ばいといった状況となっております.喫煙率が一番高い年代は40歳代の13.6%,最低は60歳以上の5.4%となっております.

つまり日本人男性の3人に1人が喫煙者で,日本人女性の10人に1人が喫煙者ということになります.

 

 

 

 理学療法士の喫煙率は高いのか? 

理学療法士・作業療法士の喫煙率を考える前に,医療従事者の喫煙率について考えてみたいと思います.

実は日本医師会・日本看護協会では既に喫煙率に関する大規模調査が行われており,これによると医師の喫煙率は男性で12.5%,女性で2.9%となっております.ちなみに理学療法士・作業療法士の最も多い年代は20歳代ですので,20歳代で見てみますと,20歳代の医師というのは少ないですが,男性で5.6%,女性で0.0%となっております.

看護師の喫煙率はどうかといいますと,男性で54.2%,女性で18.5%となっており,20歳代でも男性で52.9%,女性で18.1%となっております.

理学療法士・作業療法士を対象とした喫煙率に関する大規模調査はこれまでに実施されておりませんが,ある呼吸リハビリテーション研修会に参加した理学療法士を対象に行われた調査によると,理学療法士(平均26歳)の喫煙率は男性で34.9%,女性で7.1%と報告されており,20歳代の成人と同程度となっております.

私自身は理学療法士・作業療法士は平均年齢が若いので喫煙者が多いのではないかと考えておりましたが,こういったデータを見るとそうでもないようです.

他の医療職と比較すると,看護師の喫煙率よりもやや低く,医師と比べると高いといったところになります.

 

 

 

 理学療法士・作業療法士を取り巻く環境の変化 

ここ20年で喫煙に関する社会の認識というのは大きく変化しておりますので,医療機関や施設においても禁煙化に向けた動きが加速しております.

私が入職した15年以上前には,まだ医療機関の屋内に喫煙所が設けられている施設も少なくありませんでした.今考えるとあり得ませんよね.

それから屋外スペースに喫煙所を設けるような時期があり,今となっては施設内を全面禁煙としている医療機関がほとんどになっていると思います.

これは禁煙外来を保険診療で行う場合は敷地内を全面禁煙にする必要があることや,病院機能評価の中の1つの基準ともなっておりますのでそういった影響も大きいのだと思いますが,健康を推進する医療機関であれば,全面禁煙の流れは当然のことと考えられます.

精神科がある病院等はまだ喫煙所を残しているところも多いようですね.

 

社会の目も大きく変化しており,病院に勤めているのに喫煙しているなんてといった思いを持つ方も少なくありません.

学会や研修会なんかで理学療法士・作業療法士学会と大きな看板が出ているのに,横の喫煙所でたくさんの理学療法士・作業療法士が喫煙していたらみっともないですよね.大きなイメージダウンだと思います.こそっとならいいのかという話にもなりますが…

余計なお世話かもしれませんが,喫煙する理学療法士・作業療法士が少しでも減るといいですね.

 

 

 

参考文献
1)冨田和秀,他:呼吸リハビリテーション講習会に参加した理学療法士の喫煙率と禁煙教育がタバコに関する意識に与えた即時効果.日本禁煙学会雑誌8: 100-106, 2013

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