セクシャルハラスメント

働き方
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以前にパワーハラスメントについてご紹介させていただきました.

パワーハラスメント-あなたの職場は大丈夫ですか?-
ここ最近,テレビのニュースでもハラスメントに関する話を耳にする機会は少なくありません.最近はスポーツ分野におけるパワーハラスメント問題が多く取り上げられております.経験年数が重要視される理学療法士・作業療法士の分野でも,表面化はしていないも...

今回は職場内のハラスメントの中でパワーハラスメントに次いで多いとされておりますセクシャルハラスメントについて考えてみたいと思います.

セクシャルハラスメントというと最近理学療法士のクライアントに対するセクシャルハラスメントがニュースでも取り上げられました.

理学療法士や作業療法士とクライアント間に限らず,職場内でもセクシャルハラスメントが起こることは少なくないと思いますので,今回は職場内のセクシャルハラスメントについて考えてみたいと思います.

 

職場のハラスメント第2版 適正な対応と実務 (労政時報選書) [ 中井智子 ]

目次

 セクシャルハラスメントの定義 

セクシャルハラスメントとは,「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け,または当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること」と定義されております.

職場内のパワーハラスメントと同様に,職場内におけるにセクシャルハラスメントは一度起こってしまうと,職員と組織に甚大な損失を与えてしまうことになりますので,あってはならないものです.

ハラスメントといのは職員の個人としての尊厳を不当に傷つけ社会的に許されない行為な上に,働く人が能力を十分発揮することへの妨げにもなります.

職場でいったんセクシャルハラスメントに関する問題が発生してしまいますと,被害者職員はもちろんですガ,行為者も退職に至るなど,個人にとってだけでなく組織にとっても業務へ大きな支障をきたします.

また情報がメディア等を通じて流出すれば,社会的にも悪影響を与えかねなません.

 

セクシャルハラスメントと聞くと,女性労働者に対するセクシュアルハラスメントをイメージされる方も多いと思いますが,最近では男性労働者や同性に対するセクシュアルハラスメント事案も見られるようになってきております.

男女雇用機会均等法でも,職場におけるセクシュアルハラスメントの対象は男女の労働者とされております.またそのセクシャルハラスメントの防止のため,労働者からの相談に応じ,適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講ずることが事業主に義務付けられております.

 

 どのような行為がセクシュアルハラスメントにあたるのか? 

セクシャルハラスメントというのは大きく分類すると,2つの型に分類できるようです.

 

①「対価型セクシュアルハラスメント」

被害を受けた職員が解雇・降格・減給などの不利益を受けることを指します.

例えば「リハビリテーション科長が職場において部下である異性の職員に対して性的な関係を要求したが,拒否されたため,その職員を解雇する」「出張中の車中においてリハビリテーション科長が部下である異性の身体をなどに触ったが,抵抗されたため,その職員に不利益が生じる部署に配置転換をする」等といった場合です.

 

②「環境型セクシュアルハラスメント」

セクシャルハラスメントを受けた職員が,能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど,仕事を行う上で大きな支障が生じることを指します.

例えば「リハビリテーション科長が部下である異性の職員の身体に度々触ったため,触られた職員が苦痛に感じて,働く意欲が低下してしまう」「リハビリテーション科長が部下である異性の職員に関する性的な内容の情報を意図的に広めたため,ショックで仕事が手につかない」といったような場合です.

 

 職場のパワーハラスメント・セクシュアルハラスメントの予防と解決 

ハラスメントを予防するためには未然防止が最善の対策となります.

一番大切なことは,組織として職場のパワーハラスメント・セクシャルハラスメントをなくすべきだといった明確な方針を打ち出すことが重要です.

具体的にはルールとなる就業規則に関係規定を設けたり,労使協定を締結する,ガイドラインを作成する,ハラスメント防止規程を作成するといった方法が挙げられます.

 

リハビリ部門内でできる対策としては,実態を把握するといった方策が挙げられます.

職員にアンケートを行った上で,結果とそのための教育項目を必ず加えて全員にフィードバックすることで,ハラスメントに対する意識を高めることができます.

パワーハラスメントの記事でもご紹介しましたが,線引きが難しいところも多くありますので,規定を作成する上ではより具体的な内容を盛り込むことが重要です.

 

パワーハラスメント・セクシュアルハラスメントを予防するために最も重要なのは,職場内のコミュニケーションではないでしょうか.

上司と部下,先輩と後輩などで対立が起こるのは,お互いの期待のミスマッチから起こる場合が少なくありません.

例えばリハビリテーション科長が求める仕事の質・量があるとしても,所属している職員にそれが正しく伝わっていなければ,当然結果はリハビリテーション科長の求める仕事の量にも質にも達しないわけです.

部署の会議の中で,ひとつの目標に向かって全員が個性を活かし,いきいきと働ける職場にするにはどうすればよいかを,職場全体で考え実行することが最大のハラスメント対策であり,組織の生産性をあげ,活性化にもつながるのだと思います.

 

 クライアントからのセクシャルハラスメント 

職場の上司からのセクシャルハラスメント以上に多いのが,クライアントからのセクシャルハラスメントです.

特に理学療法士・作業療法士というのはクライアントと体を密着させることも多いので,その際にセクシャルハラスメントを受ける場合も少なくないようです.

こういった場合には,必ず毅然とした態度で対応することが重要です.また必ず上司に相談し,担当を代わってもらう等しましょう.

相手がクライアントであるからといって遠慮していてはセクシャルハラスメントというのはエスカレートしてしまいます.

上司に相談しにくければ同性の同僚にでもまずは相談することが重要です.

 

パワーハラスメント〈第2版〉 [ 岡田 康子 ]

われわれが日々サービスを提供するクライアントって誰かにとっての大切な家族なわけです.

職員も同じです.職員にも家族があって,誰かの大切な子供であったり,誰かの大切な親であったりするわけです.

そんな職員を,職場のパワーハラスメント・セクシャルハラスメントで苦しめたりしてはいけませんよね.

私も含めて,この記事を読んだ皆様が明日から同僚に少しでも優しくなれればよいなと思うわけです.

 

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