データでみる理学療法士の現状

働き方
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理学療法士の数が多くなっているといった話は皆様よく耳にされると思いますが,今回は理学療法白書2016におけるさまざまなデータを元に,理学療法士の現状について考えてみたいと思います.

目次

理学療法士数の変化

グラフを見てもわかるように理学療法士数は年々増加しており,10年前に比較すると2倍以上になっているのがわかります.他の医療職種を見ても少子化の中でこれだけ有資格者の数が増加しているのは珍しいわけです.

 

 

 

 

 

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この有資格者数の一番の原因は養成校の増加に起因するものだと考えられますが,近年では専門学校を中心に定員割れしている養成校が多くなっている現状もあります.

一方で以前に比較して養成校に占める大学の割合が増えてきているのも特徴的です.

やはりこれから入学するのであれば大学をお勧めします(大学であれば卒業してしまえば他の職業を志すことも可能です).

 

 

 

 

 

このグラフからは合わせて国家試験の合格率を読み取ることができます.

第42~45回の理学療法士国家試験の合格率は9割を超えていたわけですが,第46回で80%を下回り,ここ数年は80%前後の合格率が続いております.

80%というと5人に1人が不合格となるわけですので,非常に合格率が低いと考えることができます.この国家試験合格率の低下は国家試験の難易度が高くなったのか,受験者の学力が低下したのかは結論が出ておりませんが,今後も80%水準の合格率が継続することが予想されます.

 

 

 

 

 

 

会員の男女差

会員の男女差を見てみるとおおよそ1対2の関係になっております.

養成校入学者の割合は1対1.5程度ですので,結婚・妊娠・出産を機に離職する女性も少なくないのではないかと考えられます.

 

 

 

 

 

 

 

年代別会員割合

年代別に会員割合を見てみますと,年代別の割合はここ数年で大きな変化はありませんが,30歳未満の方が約50%を占め,40歳未満が約8割を占める状況となっております.

他職種と比較しても理学療法士の平均年齢は非常に若く,他職種主催の学会や研修会に参加すると,理学療法士といった集団の平均年齢が非常に若いということを,肌を持って感じます.最近は30代の組織管理者も増加しており,若くして管理・運営に関して悪戦苦闘しながら仕事をしている理学療法士も少なくないと思います.

 

 

 

 

 

 

所属施設分布

このグラフは理学療法士が所属する施設を分類したものです.

約3分の2が医療施設に所属しており,自宅会員すなわち協会には所属しているものの勤務していない理学療法士がけっこうな数いるといった点も見逃せない点です.

通所や訪問といった介護保険領域で仕事をする理学療法士も徐々に増えているようですが,まだまだ医療機関で勤務する理学療法士が多いのが現状のようです.

 

 

 

 

 

勤務形態

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医療機関で勤務する理学療法士の中でも最も多いのは回復期リハビリテーション病棟で勤務する理学療法士だと思います.

回復期リハビリテーション病棟では365日体制で診療を行っている医療機関も多く,以前に比較して土曜日・日曜日・祝祭日に勤務する理学療法士というのも増えてきております.

現在のところ土曜出勤は7割,日曜出勤は3割,祝祭日出勤は5割となっております.

以前のようにゴールデンウィークや正月に何連休も取っている理学療法士は少なくなっていると思います.

それだけ理学療法の必要性が認知されたということでもあると思いますし,交代勤務ができるほど理学療法士の数が増えた結果だと思います.

 

 

 

 

 

まとまりのない内容になりましたが,理学療法士の現状をデータを元に考えてみました.

グラフを見てもわかるように10年間の間に,理学療法士の置かれた環境もずいぶん変化した印象を受けます.

やはりこういった流れも把握しながら,自分の進む将来を考える必要がありますね.

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